忘れないさ〜LIFE GOES ON〜 国分太一 ボーイズラブ文庫
「放してくれないか」。顔色は随分よくなったと鏡に映る姿に幾分安心して、リビングへと引き返す。勇一郎に名前を呼ばれた七重は、思わずびくっ、とした。「うん。だからさ、今度のデートのときにしてあげたらどうかな。別れ際にこんなふうにキスしてあげたら、女の子は喜ぶと思うけど。それでウマくいったら報告してほしいな。待っているから」。「なんだ?なんで笑うんだ?」。絶対に聞けないセリフ。「……そんなことはないっ。知っているくせに、聞くな!」。
「もう、これ以上我慢はしない」。
「君は、自分が思っているほど強くはないんだぞ。些細なことで血液恐怖症が復活してしまったように、脆い面を持っている」。まるで泣いているようにも見える。
由良も、ここのところずっと気になっていた、邪悪な気。
「お前だよ、お前!お前、お前、お前が俺のこと、オモチャって言った!」。「そして金額から、肩代わりできる者も限られていた。そこで、遠野氏は、私からの提案を受けられたのだ」。凛太郎がカエデ荘に越してきたのも、いまだって、こんな高いものをおごってくれて、部屋まで取ってくれてるのも、そして、食事以外はまったく趣味もちがうし、話もあわない自分の相手をしてくれているのも。そんな薄ら寒い台詞を十五歳で、男同士でなど死んでも聞きたくはなかった。
「んーとね」。「俺のキス、どう?」。そんなことは百も承知の南だった。そしてその下唇の脇には、小さいながらも存在を主張するホクロがある。喉が乾いていたせいか、グラスの中の水がなくなってしまう。鷹司貴誉彦の恐い部分が、彼の全身から陽炎が立ちのぼるようにゆらゆらと見えた気がして、桜庭の肉体が怯んだ。
ボーイズラブ小説作品紹介
最愛のショコラティエ・永田冷人との同棲ももうじき三年目の天野克彦。だが永田は相変わらず仕事第一。特に最近はコンテストのアイデアがまとまらずイライラしっぱなし。克彦は、もう少し自分の事もかまって欲しいという気持ちが抑えきれず永田とケンカしてしまう。そんな中、昔克彦を好きだったという松山と永田に迫る新人・新堀が現れ――人生はチョコレートのように甘くない!?
タイトル:ホワイト・ヴァレンタイン
著 者 名:剛しいら
レーベル:アクア文庫
発 行 元:フロンティアワークス
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