TOKIO ザ・ライド 知念侑李 少年愛小説


切れ長の双眸(そうぼう)に嵌(は)めこまれた瞳は、なんとも不思議な色をしていた。「―――髪…切ったの?」。「欲求不満なんだろうな」。寝ているはずなのに、青嵐の手が胡桃の背中に回った。床に降りて、リオンは唇を手の甲でぐいと拭(ぬぐ)った。機械相手に言ってもムダなことだと分かっていても、グチらずにはいられない。神々だけが住むことを許されている特別な世界に、ただの人の子である由良が住んでいる。

もしかして、このままここでしてしまうのだろうかと心配になったのだ。「うー……」。最後まで掴んでいた小さな手を外したのは自分だ。「帰ってきたぞ」。春樹が着ていた綺麗な衣装とブロンドの見事な鬘《かつら》は、ボサボサのグチャグチャ……。目覚ましが鳴っているのに気づいても、あと五分、と止めていた。

「今、そういう冗談を聞く気分じゃない」。

「はい?」。「こっち、陸上部のコース借りようぜ」。鷹司は、呆然としている桜庭に向かって強い口調で声をかけ、顎を掴んで自分へと視線を向けさせようとする。「うん、わかった」。

「なんで、キスしたの?」。「と、とにかく僕も今日は泊まるよ。高敏くんが心配だもん」。

妙な質問に、要の手がとまる。悲鳴をあげる嘉瑞の口を押さえ、高敏は足早に脱衣所を出てフロントを目指した。女の子とすらまだしたことがないというのに、今自分がキスをされているのが信じられなかった。諒はケニーの大きくて頼もしい手を振り払った。せめてあと一人でも強い選手がいれば、と思うことしきりだ。その奇妙な感触を身内に抱えた桜庭の頬が、熱砂のなかを彷徨ったかのように火照りはじめる。


ボーイズラブ小説作品紹介


知られたくない秘密が、誰にだってある……。吸血鬼であることを隠し、都会で生きている巴尭弘はある晩、街でからまれていた男、山神太地を助ける。純粋なのに野性的な太地に惹かれた尭弘は、一夜限りのつもりで身体を重ねたが、もっとそばにいて欲しくなる。しかし普段は温和な太地は夜空に月が輝いた途端、性格が豹変して……。孤独を癒すラブストーリー!

タイトル:今夜はきめるぜ!
著 者 名:剛しいら
レーベル:ダリア文庫e
発 行 元:オークラ出版

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