柔らかなままで 制野峻右 少年愛小説


「ええっと…二、二十人くらい?」。

篠原(しのはら)沙維(さい)は駅のプラットフォームで一人、電車を待っていた。「じゃ、それを……」。「そこまで言うと、ちょっとタチ悪いよ。僕が本気にしたらどうするのさ」。ずっとずっと考えてるのに。

「んっ…んっ…」。「私は……微力ながら神通力を使うことができます。それ故……こうして神であられる地王様のお姿を拝(はい)することが出来るのです」。南鬼は、今までずっと我慢していたものを吐き出すように、その場に鷲鬼の姿となった北鬼を押し倒していく。ちょっと恥ずかしかったけどオレの方からキスをして……軽く重ねただけのキスでは物足りないという顔をされて、もう一度やり直した。

「どうして?」。その言葉に体が硬直する。そして、出した結論。「―――ばか、拓也のばか、牧野のばか」。「気泡が……あるのだ。それもかなりの数の気泡がな」。でも僕は気にしない。

言われ慣れているとはいえ、柾に言われると、バカにされているようでむかつくのだ。それが不思議で。これで高敏の『野望』を潰すことができたからだ。「分かった」。「あの男とホテルに泊まったらしていたことをするんだ」。「わたしの部屋はあれだ……」。「ファーザー……」。

固い床に叩きつけられることを覚悟して身構えるが、ちょうど落ちた先にはマットが敷いてあった。沙維は無言で立ち尽くす男から無理やり視線を外すと、電車に乗り込んだ。


ボーイズラブ小説作品紹介


真崎史彦は容姿端麗、文武両道の何でもできちゃうパーフェクトな奴。そんな真崎が高校の入学式で、水澤倫章に一目惚れ。倫章はかわいい上に隙だらけで、ちょっかいをかけてくる奴はあとを絶たない。ついつい真崎の想いも友情を越えてヒートアップ!「こいつを誰にも渡したくない!!」恋の手ほどきを口実に、真崎の倫章へのラブレッスンは段々とエスカレートしていって……。シリーズ第1弾。

タイトル:いつもそこには愛がある
著 者 名:綺月陣
レーベル:講談社X文庫、 ホワイトハート
発 行 元:オークラ出版

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