ブーケをねらえ! 今野泰幸 ボーイズラブ文庫
さっきから微動だにしない男を指さして、恐る恐る嘉瑞は尋ねた。薄雲の部屋で一夜を明かし、当真が自分の店に帰りついたのは、勘助に宣言したとおり明け方になっていた。
「結婚しなきゃ別れる、って泣かれたから、ってのはどうだ?」。まだ少年の面影を残した頬のラインはまろやかで、顎も柔らかい線を描いている。嘉瑞はもちろん死体なんて見たことはないが、これはわかる。頬に触れてきた男の手の内側にキスをして、諒は含み笑った。が。「僕の役目だから……ね?」。
困り果てた声で嘉瑞が言う。
リアリーは、サーファの光り輝くような美貌に見とれてしまっていた。「ちがう。そうではない」。雄一のものを、入れてもらおうと、思っている。懲りない佳実は、ぐっと身を乗り出して言った。どういうことなのだろうか?この者の祖先はなぜ地王様の名を知っている?それに妾が無理に頼み、地王様がこの西の砂漠の地に水晶宮を築いたのはつい先頃の話。『皇帝』と名づけられた香水のかぐわしき香りがカイゼルからふんわりと漂い、諒を包み込む。リアリーは、真剣な表情でじっと自分を見下ろしているサーファのエメラルドグリーンの瞳を見上げ、再び戦いの時が来たのだと悟った。
海王の明確な答えに、由良は唖然(あぜん)として両目を見開いた。すまないという気持ちから、きっとぐらつく。聞こえてくるのは確かに廊下の向こうの、ケインのいる部屋のほうだ。「社長!」。何かとんでもないことを拓也がいったような気がして、雅都は聞き返してしまった。自分だって無理やり連れてこられたにしても、甲斐の試合が生で観られるのを楽しみにしていたのだ。「……ずっと由良は……主様に愛されるために生まれてきたのかもしれないって思っていたけれど……本当にそうだった。由良は……主様に愛されるためにこの世に生まれてきた……」。
角度を変え、位置を変え、まるで、舌が生き物のように動き回る。「じゃあ、無理」。「まさか……まさか……主様がずっと由良を守ってくださっていたの?あの時からずっと?」。Gスタジオでは、ドールが日本刀を振りまわして、男をところかまわず斬り刻んでいる。
ボーイズラブ小説作品紹介
4歳で海辺の町へ越してきた頃から、青海にとっては幼馴染の勇作が世界のすべてだった。美しく成長した青海は、観光客も訪れる地元の勇壮な祭りで、名誉ある花形・稚児役に選ばれる。しかしその事で、青海にはある忌まわしい出来事が降りかかり、やがて青海は、勇作を置いて町を出て行ってしまう……。
タイトル:海に還ろう
著 者 名:剛しいら
レーベル:ダリアmix文庫
発 行 元:ごじらん堂本舗
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今野泰幸の最新関連情報
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