青春(SEISYuN) 錦戸亮 ボーイズラブ文庫


「どうして?やっぱり俺ではその気になれないか?」。神谷の喉がごくりと音をたてる。南は小さく笑いながら言うと、信介の手からグラスを奪う。「もしも…わたしが君のことを抱いたら、君を今よりももっと苦しめてしまうことになる」。キアはルイーズが言い終わらないうちに、その腕を掴み引き寄せた。「………」。「七重…。俺も同じや」。

「フン、嫌なら俺と別れればいいだろ」。

「…どうにかなっちゃいそうなほど、気持ちいい」。テレビを消して耳を澄ますと、家の外から微かに足音が聞こえた。嘉瑞が落ち着いたのを見届けると、高敏は隣の部屋を指さした。もがく男を、掻(か)き寄せるように抱きしめて、臣人もまた悲鳴みたいに叫ぶ。

決して、人の手では作り出せぬ美神。「ここねじゃないっ!先に言えよ、そーゆーことは!」。

何かを求めるように伸ばされた手を取って、きつく握り返してやる。「どっちにしろ、ラッキー。奏、超きれーだし、具合よさそうだし。すぐシャワー浴びるから、待ってろ。もちろん、ベッドで、な」。グイグイと二人を押す僕に、義ちゃんが不満の声を上げる。前のめりに説明されて、彼は顎を引いて片手で辞退する。「で、もうちょっと派手にすれば、さすがに智明も俺を頼ってくれるだろうと思ってたのに、それでも頼ってくれなかったから、最後の手段で襲われる智明を俺が助けて惚れ直させる作戦に打って出たんだぞ!この健(けな)気(げ)な男心をわかれよっ」。だって、しょうがない。

いや、きっと仲良くなれなかった。「ええっと……勉強を終わらせるのはいいけど、エッチはダメ。あんな……頭が真っ白になるようなことしたら、せっかく覚えた英単語や化学式を忘れちゃうもん。自信あるぞ!それでなくても頭悪いんだから、そんなの困るよ」。真剣に宣言する拓哉に、神谷がソファでずるっとこける。冷たそうに見えて、実際には熱いことを知っているファイの唇にリオンは自分の唇を押しつけた。高敏は続けた。「約束する。命を懸けて誓うよ。さあ、着替える必要はないが支度したまえ。わたしが手伝ってやろう」。


ボーイズラブ小説作品紹介


「トオルが縛ってくれって言ったら、そうしちゃうに決まってるよ」。「彼がそんなこと言うわけないだろう?」。ロイスの言葉に一瞬、飯島は戸惑いながらも同意を求めた。「絶対にないとは言えないんじゃない?」。ゴールデンウイーク中の帰省を控え、自分との生活を両親に話すべきかで悩んでいるトオルを心配した飯島は、ロイスに相談を持ちかけたが――。

タイトル:終わらない週末ラブ・ネスト
著 者 名:有馬さつき
レーベル:シフォンノベルズ
発 行 元:講談社

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